釜石徹『マンション防災の新常識 逃げずに留まる「住宅避難」完全ガイド』

釜石徹『マンション防災の心常識　逃げずに留まる「住宅避難」完全ガイド』2020年 合同出版株式会社
図書館で借りた数日後、東北で地震が起こり、真っ先に読んだ本です。

災害発生後、避難所に行かずに、自宅で避難生活をおくるための知識をまとめた１冊です。
断片的な知識として知っている内容にも、プラスアルファの実践的な知恵がちりばめられていました。
マンション住民全体として、理事会や防災委員会としての準備の想定規模と要点は他ではなかなか得られない実践的な内容だと思います。そして、個人としての対策である、家庭の防災力の向上に関わる各観点の知識と知恵も一読の価値ありです。
・家の中で怪我をしない対策　家具の転倒予防　バッテリーやライトの用意
・食事の確保　カセットコンロ　水　ローリングストック
・トイレの確保　個人としての準備　マンション設備の確認方法
など、自分にとって有用そうなポイントをあげると以上のようになり、それぞれに実践の知恵と具体的な方法が示唆されています。
著者が男性のためか、災害規模の想定や組織としての準備の方が理路整然と書かれ、各家庭の自助を促す割には生活面の分量が少ない気もしましたが、そこは、各家庭の独自性によるアレンジに期待しつつ、最低限の備蓄や情報をマニュアル化してくれているものと、理解しました。
最後に、３蜜回避を含めた避難所設営の現状と限界を詳しく提示されています。共助の限界を知ることで、自助の備えの重要性がわかります。

日本に住んでいる以上、地震も台風も避けられないのは事実ですからね。できることは、少しずつ取り入れていこうと思います。

マンション防災の新常識 [ 釜石　徹 ]